アロマテラピーの「精油」について

アロマテラピーで使用される精油(エッセンシャルオイル)は、植物に存在する「油胞」という袋に蓄えられています。
この油胞がある場所は植物によって異なります。
例えば、柑橘類は果皮の表面にあるのですが、みかんの皮を剥くときにプシュッと「汁」が目に染みた経験はありませんか?
あの表面の粒粒が油胞で、その汁こそ精油の正体です。
このように、花や葉、根っこなどあらゆる場所から精油は抽出されます。
(植物にとって精油の役割とは?)
動物はお腹がすけば狩りをして栄養を摂ることができますが、植物は動くことができません。
そのため、光合成をしたり自分自身でエネルギーをつくり出し、身を守らなくてはいけません。
そんな動けない植物にとって、香りはとても重要な道具のひとつなのです。
精油の役割の一部をご紹介します。
・昆虫や鳥を引き寄せ、繁殖に役立てる(誘引効果)
・害虫や動物が嫌がる香りを放ち、寄せ付けない。菌やカビを防ぐ。(忌避効果)
・精油を蒸発させて自分を冷却し暑さから守る。
・生体内でホルモンのような働きをする。
精油の成分についてはまだ未解明の部分がとても多いのですが、アロマテラピーは、こうした植物の薬理作用の一部を人間が分け与えてもらい、成り立っているのです。
(精油の取扱い注意事項)
年々身近になる精油ですが、日本では「雑貨」扱いです。
雑貨というと危険性がないように感じますが、そんなことはありません。
なかには発泡スチロールを溶かすほど強い作用の精油もあります。
そこで、精油の取扱い注意事項をご紹介します。
・赤ちゃんが誤飲しないように手の届かない場所に保管する。
・敏感肌の方に刺激の強い精油を使うときは希釈してパッチテストを行う。
・引火性なので火気のない場所に保管する。
・使用期限に注意し、開封後は柑橘系は6か月以内、他は1年以内を目安に使い切る。(精油により異なる)
・精油は箱に入れて、直射日光と湿度を避け、冷暗所で保管する。
雑貨扱いの精油ですが、中身は油なので気を付ける点が多いのです。
ご購入の際は、専門知識のあるスタッフにおたずねくださいね。
ちなみに、うちに使ってなくて放置状態の精油があるのですが、精油の作用でフタが溶けてドロドロに…
もともと黒だったフタが、変色して茶色になってます。
怖いです!
(アロマトリートメントの楽しみ方)
精油を使うアロマテラピーの代表的な楽しみ方として「アロマオイルトリートメント」があります。
精油を、香りのない植物オイル(キャリアオイル)で希釈し、オイルを使ってなでさすり、血流をよくします。
これにより、「香りでリラックス+血流改善+スキンケア」の3つの効果が得られるので、「ストレス+肩凝り+乾燥肌」の忙しい日本人にはピッタリのリラクゼーション法です。
トリートメントオイルはキャリアオイル20mlに精油を4滴垂らしてつくります。
これは1%の濃度で、体全身は1〜2%、敏感肌や顔の場合は0.1〜1%が目安です。
精油1滴0.05mlなので計算してつくりましょう。
また、敏感肌の方はトリートメント前にパッチテストを行うと安心して使えます。
トリートメントするときはオイルを手に取り、人肌に温めてから始めると、手が温かくなり、タッチングによるリラックス効果も上がります。
アロマトリートメントすると心の健康状態もよくなるので、ぜひ、性別年齢問わずストレスと戦っているみなさんに体験していただきたいですね。

執筆者 HARUKA
アロマテラピーを学んだ最初のきっかけは、サロンの業務に必要だったため、しかたなくでした。ですが学べば学ぶほどアロマテラピーにすっかり魅了されてしまい、今の私にとって、アロマテラピーは毎日の生活に欠かせないものになっています。所有資格:英国IFA認定アロマセラピスト